年末、看護師が初めてオレを洗った。
オレ、慣れたかも。
いや、看護師だから、許してやったんだ。じっとしてやった。
でも、ドライヤーは、やっぱり嫌いだ。オレの腹に風を当てるなんて、屈辱的だ。
嫌がるオレを、看護師はケージに入れて放置してくれた。
それはそれで、やや半乾きの腹が少し寒い。
きっと、洗ったという事は、オレは臭いんだ。
と思ったら、そのあと、また、連れて帰ってくれた。電車に乗るのも慣れたものだ。
正月は、病院のオレの部屋に閉じ込められずに過ごせた。
オレは、幸せ者かもしれない。
でも、久々の病院も、いいかもしれない。
先生がやたらといじくりまわすのがうっとおしいくらいだ。