オレの城に、またあいつがやって来た。
本当に迷惑な話だ。
先生の実家の犬。プードルってやつか?ピョンピョコしやがって。
みんなが「みも」と呼んでいるから、そんな名前なんだろう。
ミモでもモモでも何でもいいが、オレにとってはマモノだ。
今回もトリミングを理由に登場したらいが、いちいち一日中院内にいる。
早く迎えに来て欲しいもんだ。
とにかくしつこい。鬼ごっこのつもりらしいがこっちはたまったもんじゃない。
先生のとこは鬼ごっこ好きの家系なのか?
あまりにしつこいから、流石のオレも遂に堪忍袋の緒が切れた。
手加減してやってたのに。悪いのはミモの方だ。
爪でパンチしてやった。
命中だ!ざまあみろ!!
ん??
どこだって??
鼻のてっぺんだ。
よぉ〜く見てくれ。
命中だろ!?
本当はもっと重傷を負わせても良かったんだが、先生からのお仕置きがあっても困るし、
あいつは一応、女だ。嫁入り前だった場合、責任を取る気は毛頭無い。
だからこの程度で勘弁してやった。
あいつ、悲鳴上げたくせに、また追っかけて来やがった。
懲りないところも遺伝なのか??
誰かにそっくりだ。
頼むからそっとしておいてくれ。
こんな時、
オレの癒しは
何と言っても、
看護師の抱っこだぜ。
オレの救済者だ。
オレは幸せだ。