今日も犬が来た。
週一のトリマーは、いつもしゃくれた犬と一緒にやって来る。
最近は若いプードルまで連れて来る。
オレの部屋から一階までの通り道となるホールに、2匹は放たれる。
迷惑な話だ。
そこを通過しないと階下に降りられない。第一関門だ。
2匹に気付かれずに忍び足で通るか、ダッシュで一気に行くか。
ちょっとした賭けだ。
でも、どっちの作戦か迷っているオレに気付いた2匹。
?? オレに関心がないのか?
しゃくれは、明らかにオレに無関心だ。だからオレも無関心を通すことにした。
プードルは、時々追いかけて来る程度だ。我慢できる範疇だ。しつこさがない。
トリマーの2匹は、出入りを許可する事にした。
共存可能だ。いい距離感だ。オレのメシも盗まない。
第2関門。
1階に降りると先生が待っている。処置台の周りを、グルグルと、鬼ごっこが始まる。
「くろいの、みっけ!」左右から機敏に攻めてくる。二人いるみたいだ。
実家の犬達そっくりだ。オレを休ませろ。
先生の実家の2匹は、絶対出禁だ。
願わくば、先生も出禁だ。