東京ではなかなか遭遇しない寄生虫、マンソン裂頭条虫。いわゆるサナダ虫と言われる一般の犬・猫条虫とは違います。ノミが媒介する犬・猫条虫はスポットタイプや小さな駆虫剤で駆虫可能ですが、マンソン君は少し厄介。

カエルやヘビが中間宿主と言って媒介者になります。つまりこの人たちをくわえたり食べたりしてしまうことで感染します。人にも同様のルートで感染します。生でカエルやヘビを食べる習慣のない日本では、飼い猫ちゃんや飼い犬ちゃんから移る心配はありません。

つまり自然の多いところでワンちゃんを遊ばせたり、田舎暮らしで外出自由な猫ちゃんなんかが感染する寄生虫です。駆虫剤は現在一種類の錠剤のみで、一般の条虫の3倍量必要です。錠剤も大きいのに更に3倍。小さなお口の猫ちゃんに投薬するのはちょっとかわいそうな量です。でもお腹で飼い続ける方がもっとかわいそう。栄養不良にもなるし下痢にもなります。お腹もはるし排便も辛い。ここは一つ、短時間我慢してもらって投薬完了です。

優しいご家族に川で保護されマンソン君と一緒にお家に受け入れてもらえた猫ちゃん、家族が見つかって幸せいっぱいな性格のとっても良い子。駆虫代はかかってしまったけど、猫ちゃんとご家族の素敵な出会いに、こちらまでほほえんでしまいます。