先日、ノラ猫ちゃんのお問合せがありました。

 

いつもごはんをあげると食べるのに、何かが下顎にに引っかかっているみたいで、毛玉みたいな物がはまっているみたいな感じで、食べたくても食べられずにいると。

女性は、電話口で慌てた様子で、困り果てていました。質問責めでした。

でも、お財布持ってないし、いや、家に取りに帰ったらいなくなっちゃうかもしれないし、そもそも捕まえられるかしら?自転車のカゴに入れられたらなんとか出せますか?ファスナーで閉じ込められます、時間外なのにいいですか?そちらの病院はどこですか?行き方は?

猫ちゃんを助けるために必死で病院を探し、電話をしてくれた女性。もちろん、とにかく捕まえられたら直ぐ来て下さいとお伝えしました。その後直ぐにご来院。自転車ごと待合に入って頂き、カゴのファスナーを開けてネットで捕まえました。

ご来院されるまで、私が予想(と言いますか覚悟)していたのは、下顎の外傷や腫瘍で食べることができなくなった弱っている野良猫ちゃん。

実際は、お連れいただいた方の言った通り、毛玉でした!まずはホッと一安心。

長毛種の猫ちゃんの、肩の毛玉の塊の一部が下顎の両犬歯にがっちりはまり、口も閉じられないし自由に動けなくなっていたんです。

 

人馴れしたお利口さん。鎮静もせずにそっと処置できました。

ネットからお顔だけを出して、鉗子とハサミで取り除くだけで助かった猫ちゃん。

それでも、女性はとても喜んで下さったし、お礼を言って下さった。

猫ちゃんもようやく自由になり、逃げ出そうとする機敏な動きができるように。

 

このお話、皆様はどう思われるでしょうか。

時々ご飯をあげに会いに行く野良猫ちゃんの一匹が困っている姿を見て、病院を探し出し、素手で捕まえ、駆け込み、また元の場所に戻しに言ってあげる姿。

私は、感動します。

野良猫ちゃんの問題は尽きませんが、一獣医師としては、1匹の困っている猫ちゃんを助けて下さった優しい女性にただただ、脱帽です。

因みにその猫ちゃんは女の子でした。避妊手術は、どうしてもしてあげたいです。そこも、一獣医師として・・・。