午後休診のある日、猫ちゃんの患者さんを連れて、元同僚が務める二次病院にお邪魔しました。
その猫ちゃんは高齢で、グルグルと旋回運動をするようになった、長毛の可愛い女の子。
ご飯は食べているし、旋回運動以外に症状も異常もなく、元気な猫ちゃんです。
でも、飼い主さんは診断をちゃんとつけてあげたいと、前向きな姿勢を見せて下さいました。
ただの認知症かもしれない、脳に炎症や腫瘍があるかもしれない、手がかりが掴めないかもしれない。
それでも、検査を決断されました。
初めてお邪魔したその病院のMRI室に、驚きました。とても小さな装置。人間の整形外科用だそうです。日本にたったの2台!
人の手足を撮るためのサイズだそうで、大型犬の全身は不可とのことですが、解像度も非常に良く、小型犬や猫ちゃんにはとても診断価値が高いそうです。
猫ちゃんはとても良い子に麻酔をかけられ、MRI室へ。頭がぴったりとはまるサイズの筒の中に仰向けに入れてもらって、無事検査を終えました。
これ以上携帯電話を近付けると磁場で壊れるそうで、中には持ち込めませんでした。
この猫ちゃんは決してつり目ではありませんが、ぴったりフィットのためつり目ちゃんに見えてしまっています。本当はとても美人ちゃんです。
脳腫瘍が、手術適応とは言えない場所に、見つかりました。。。
それでも、飼い主さんは、検査して良かったと言って下さいました。原因がわかって良かったと。
受け入れ難い現実、それでも、そんな風に言って下さった。
よし!!私も前向きでいなくちゃ。猫ちゃん、もっともっと、生きようね。
猫ちゃんは、きっと、今日も旋回しています。でも、元気にしています。まだまだ、頑張れる。もっともっと長生きしようね。
苦しまずに、元気に、一生を終えるその日まで、ご家族との幸せな毎日の、お手伝いが、この先も、ほんの少しでも、出来ればと願っております。